主人公が何でもできるようになる爽快感
『愛がゆく』
作者:小山ゆう
出版社:小学館
掲載誌:少年ビックコミック/全12巻
中学生の頃に読んでいたマンガです。大人になってまた読みたくなって古本屋さんで全12巻揃えました。少し古い作品だとブックオフはあまり扱いがないので街の古本屋さんをまわった思い出があります。
小学生の頃は、少年サンデー派で中学生ぐらいから少年ジャンプの黄金時代。
そんな中、ビックコミックのこの『愛がゆく』だけは毎回楽しみにしていました。
主人公は未来から赤ん坊のときに送られてきた北条愛という男の子。
この少年を抹殺するために未来から続々と刺客が送られてきますが、超能力を持つ愛が幼いころから自分の身を守るために殺戮を繰り返します。
そんな少年・愛を拾い育てていくめちゃくちゃ愛のことをかわいがってくれるガテン系の父・北条松五郎、
いつも愛のことを理解してくれるスポーツ万能の幼馴染葵未来(ミキ)、
父がヤクザの親分で婦人警官秋本涼は北条親子に親切に接してくれます(ヤクザの親分のおやっさんも愛にメロメロです)。
そして、IQ230ながら元暴走族のリーダーで頭脳明晰、いつも愛のピンチを救ってくれる近藤狂平、
味方はみんないい人たちです。
それどころか、下等人間呼ばわりをしていた能力者や未来人たちも愛や愛のまわりの人物に関わると少しだけハートウォーミングな性格に代わります。
とにかく、愛にかかわるとみんないい人たちに変わっていきます。
最初は、愛を狙っている人物は宇宙人と完全に思っていました。
それが、未来人の運命を変えてしまう愛の存在を恐れての行動だったのです。
未来人が愛のことを「悪魔」と呼びますが、話が進むにつれてあんなに可愛かった愛が未来人にとって本当に「悪魔」へと変わっていきます。
タイムトラベルに、テレポーテーション・サイコキネシス・超回復などあらゆる超能力のオンパレードにワクワクしたものです。
人間が数値化されていくことに初めて気が付いた
中学生の頃に一番衝撃的だったのは、未来人たちが現代人たちの能力を表すために額に能力値を浮き上がらせることです。
このナンバーが30以下だと不必要な人物だと判断され、低い数値のものから死んでしまい遺体さえも一瞬で消えてしまします。反対に80以上のものは新国家建設のための名誉を与えられ、共通の言語を話せるようになるというのものです。
当時から単純だったわたしは、
これはもう真面目に勉強した方がいいな!
と、このマンガから良い影響を受けました。まあ成績は鳴かず飛ばずでしたが・・・。
『ドラゴンボール』でサイヤ人が来てスカウターを使い戦闘値を図っていた時に少し懐かしさを感じたのは、人間の能力を数値化して客観的に見ていたことだと思います。
しかし、『ドラゴンボール』では悟空やピッコロの能力がどんどん上がっていくところが『愛がゆく』とは少し違います。
結局のところ、偏差値や学歴、身体能力、細胞レベル能力、健康診断数値など自分自身を図り、他人と比べる数値が世の中にはたくさんあり、それによって社会的に判断されていくことも事実です。
体重計やスマートウォッチがスマホに健康レベルを教えてくれる時代ですので・・・。
Amazonではスカウターも買えるんです。
あの大ヒット映画はこの作品のパクリ!?
未来人が過去に、人間ではないですがアンドロイドを送り込んで未来のカギになる人物を抹殺しようという映画がありますよね、
『ターミネーター』1984年公開。
『愛がゆく』の方が先に連載が始まっています。
ターミネーターは、人類と人工知能「スカイネット」との戦いなので方向性は違いますが、どちらも核戦争後の話が出てきます。
未来からくるアンドロイドの圧倒的な強さに冷や冷やしながら見ていました。
この頃のシュワちゃんの映画にはハズレがないですね!
あとタイムスリップものもハズレが少ない(パターンは限られる)
『愛がゆく』も映画実写化されてもいいんじゃないかと思える作品です。
電子ブックという未来兵器?
小山ゆうの作品は、『がんばれ元気』『スプリンター』をサンデー連載時によんでいました。
『あずみ』は直ぐに全巻そろえました。
そして、この『愛がゆく』は街の古本屋さんを廻ってワクワクしながら全巻そろえました。
まあ今では、漫画喫茶・ネカフェで読むか、ネットで現物購入、電子ブックもありますので気軽にサクッと全巻読める良い時代です。
ということは、ブックオフも数年前から電子ブックという未来兵器と戦っているんですね。
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